家族に虐げられた令嬢は王子様に見初められる

そんなことを考えていたとき、イザベラが意地の悪い笑みを浮かべた。
それはソフィアに毎回向けられるあの笑顔だ。

「私、昨日アレクにプロポーズを受けたのよ」
「えっ」

自信満々の表情になってそう告げるイザベラにソフィアの頭の中は真っ白に染まる。
「私、彼と結婚することになったの」

「で、でも彼は私のことが――!!」
咄嗟に言い返してしまい、イザベラの大きな笑い声が響いた。

「何年前のことを言っているの? 彼にとってあなたはとっくの昔に死んだ人間なのよ? 今でも好きでいるわけがないでしょう?」

怒鳴るように言われてソフィアは言葉を失う。
ぜんしんから血の気が引いているのに、体が熱くて仕方ない。

イザベラがすべて仕組んだことだとわかっているのになにもできない自分がもどかしい。ソフィアは右手をギュッと握りしめた。