65リットルよりも、笑って。





「……すご」



こんなにゴッソリ抜けるなんて驚きだ。

吐き気や食欲低下の副作用を乗り越えたと思ったら、2週目に入った今度はとうとう髪の毛に異変が訪れた。


枕に散らばっている地毛、
すぐに鏡で確認してみれば案の定。


思わず「すごい」と、感動のようなものが出た。



「入るぞ。今日の具合は───」



さすがに止まるよね。

元のヘアスタイルにできるだけ近いものを渡されたけれど、ちょうど付けている最中に入ってくるんだもん馬鹿かおまえは。


………タイミング地獄すぎ。



「ごめんね着替えじゃなくて」


「……付け心地はどうだ」


「なんかね、地毛よりサラサラでびっくりした。どう?違和感ない?」


「ない。変わらない」



さすが現代、先進国の医療用ウィッグだ。

本物の髪の毛から作られたらしいウィッグは、外観から安物ではなさそうだった。