「……すご」
こんなにゴッソリ抜けるなんて驚きだ。
吐き気や食欲低下の副作用を乗り越えたと思ったら、2週目に入った今度はとうとう髪の毛に異変が訪れた。
枕に散らばっている地毛、
すぐに鏡で確認してみれば案の定。
思わず「すごい」と、感動のようなものが出た。
「入るぞ。今日の具合は───」
さすがに止まるよね。
元のヘアスタイルにできるだけ近いものを渡されたけれど、ちょうど付けている最中に入ってくるんだもん馬鹿かおまえは。
………タイミング地獄すぎ。
「ごめんね着替えじゃなくて」
「……付け心地はどうだ」
「なんかね、地毛よりサラサラでびっくりした。どう?違和感ない?」
「ない。変わらない」
さすが現代、先進国の医療用ウィッグだ。
本物の髪の毛から作られたらしいウィッグは、外観から安物ではなさそうだった。



