65リットルよりも、笑って。





「飴やると大人しくなる」



飴って……。
それこそ子供じゃんか。


かわいいと言われて、私にしか見せない顔。


それだけで身体だけじゃなく心まで嬉しくなって、まともに目を合わせることすら照れくさくなってくる。

………というよりいつまで挟んでるの、おいこら。



「…ふっ、」


「ん…っ!?」



微笑まれて、ちゅっと、弾けるように合わさって離れた唇。

頬を挟まれていた手までも離れると、今度は名残惜しさで埋め尽くされる。



「ねえママ、あのひと歩き方へんだよ」


「こらっ!そーいうこと言っちゃだめでしょ!」


「だってえ~」



そうだね、へんだね。
きみとは違うね。

でも同じ星の下に生まれた人間ではあるから、許してくれる?


きみの唇の横にホクロがあって私にはないように、私はきみとは違う歩き方をしているの。