65リットルよりも、笑って。





「雪、見れたよ泰斗くん!」



こんなところに溶けない雪があっただなんて。

最後の雪は、これから毎日のように見ることができるんだ。



「すごいよ。これだけでもう…、一生ぶんの幸せが与えられちゃったみたい…」



時間、つづいて。

おねがい、つづいて。


今日は素敵な日だから。
誰もが幸せを感じていい日だから。


いつも私にばっかり意地悪な神様も、今日はゆっくり過ごす日なの。



「…風呂、沸いたな」



響いた軽やかな音楽。

そういえばケーキを食べる前、彼は沸かしていたような気がする。



「いっしょに入る〜?」


「………入る」


「はっ!?冗談冗談!うそうそ!!」


「俺が冗談なんか通じないってよく知ってるだろ。…行くか」


「ストップストップ…!!一緒に入るとかそんなのしたことないし…っ、めっちゃ恥ずかしい!!」


「俺だってそうだ。…初めて、くれよ」


「っ…!」



言葉だけでここまで幸せが与えられることって、なかなかだ。

こんなドキドキ知らない。
ここまでの緊張だって、知らないよ。