65リットルよりも、笑って。





「じゃあ今でよかったね。そのときの生徒会長さんだったら、きっと私のことなんか好きにならないね〜」


「…どうだかな」


「え、なる?あ〜ごめん、たぶん逆だ。私のほうが好きにならない」



拗ねたのか、「おい」と言いながら距離を縮めてくる。



「なら…今は好きか」


「………そのぶんは先生の未来の奥さんに譲りたいから言わない」



はっと、気付かされるように顔を向けてきた。

感じながらも、夜景に目を通して私は笑う。



「これ以上は貰えないよ。これ以上はほんとうに幸せすぎ───ひゃっ!」



今まででいちばん強く抱きしめられた。


なにを察したのか、私の言葉になにを思ったのか、震えている腕がすべてだ。


ちゃんとね、考えいるから私。

なにも考えてないように見えるかもだけど、普通に考えてるよ。



「おまえ…、だからいつも言わねえのかよ、」


「…うん」


「なんだよそれ……ふざけんな」


「ふざけてない。超まじめだよ」



未来の奥さまへ。

このくらいは許してください。
背中に同じように腕を回すくらいは……したい。


先生、…泰斗くん。

大好きだよ、泰斗くん。