65リットルよりも、笑って。





「いつも病院から夜景、見てるだろ。…もっと近くで見せてやりたかったんだ」


「…すごいね。きれー……、車降りていい?」


「寒くないか」


「へーき!」



穴場なのか、周りに車さえ停まっていない。

手すりギリギリまで近づいて、眩しさと冷たい冬の風に目を閉じてしまう動作さえ心地がいい。



「…あ。あそこのお家の2階の電気が消えた。もう寝たのかな?」



みんな生活している。
流れる時間を、過ぎる1日を、こうして終えて。

明日が来て、また生きるんだ。



「ねえ先生って18歳のとき、どんなだった?てかどんな高校生だった?」


「…生徒会長だったな」


「うわ。ええ……、やば」


「立候補してないのに勝手にさせられたんだ。クラスの奴らの推薦で」


「ありそー。…私なんか……、たぶん、友達もいなかっただろうし」



もう忘れてる。
自分が高校生をしていたときのこと。

それほど自分にとって忘れていいものだったんだろうね。