65リットルよりも、笑って。





「どうして救えないんだろうって、あんなにも小さな命を救えないんだろうって…、看護師をしている自分が嫌になったんです……っ」



物陰に隠れて、盗み聞き。


やっぱりそう思うんだ…って、なんか誰かも似たようなことを言っていた気がする。

最終的に患者にお願いすることしかできないと、情けないと、誰かも言っていたような。



「斑鳩先生は強いです、いつだって……強い」



まあ天性の性格なんだろうね───と、私が心のなかで答えてあげる。


鋼のメンタル、強心臓の持ち主。

あとはうーんっと、なにがあるかな。



「…そんなことない」



そんなにも細い声、初めて聞いたかも。

すごく人間らしいと思った。


あなたにもそんな一面があるんだって、それを彼女には見せてしまうんだって。


ちょっとだけ……あー、やだ。