65リットルよりも、笑って。





こんなに小さかったんだ────……。


お菓子とおもちゃが飾られたベッドの上、穏やかな表情をして目を閉じる男の子を見つめて、私はまたそう思った。


もう動かない手に握られている少年の宝物である変身アイテムと、すぐ隣にはずっとずっと身に付けられていた赤いニット帽。

サイズがちょっと大きめだから、いつも目にするたびに愛らしくて可愛かったなあ…。



「…なゆちゃん、これ」


「え…」


「蓮夜がね、最後……なゆちゃんにあげてって」



その帽子を手にした蓮夜のお母さんは、泣き腫らしたまぶたを優しく伸ばしながら私の前に差し出してくる。

静かな静かな夜が明けて、快晴の広がる今日だった。



「もらってあげてくれる…?この子、なゆちゃんのことが大好きだったから」


「もちろん…です。ありがとう、ございます。私も……、わたしも、」



蓮夜こと、かわいくて大好きでした───、


声が震えた私に、お母さんが代わりに涙を流す。


最後のお別れだ。

小さな男の子はヒーローとなって、棺のなかへと入れられる。