「…言うほど楽しくないよ。私だって学校なんか大嫌いだったし、友達もいなかったもん」
「じゃあ、病院のほうがたのしい?」
「……うん。楽しいよ」
嘘をついた。
病院のほうが楽しいわけないじゃん。
私自身は本当に学校も勉強も好きじゃなかったから、考えなくてよくなった今がラクでもある。
でも、小学校はさ。
小学校なんか、いちばん楽しいに決まってる。
「蓮夜は正義のヒーローだから、学校なんか通ってる暇ないくらい……みんなを救う役目があるでしょ?」
「うん!あっ、でもオレ、足し算と引き算できるんだよ!クルミせんせーに教わった!」
「……っ、そっかあ…」
ひらがなも書ける、ちょっとだけ漢字も。
そう言って無邪気に笑う男の子を、涙だけは見せないように抱きしめることで精いっぱいだった。
「オレもうね、苦しくないんだ。からだも痛くないもん」
「……蓮夜?」
「これからはたくさん走っていいんだって。ファイバーレッドがね、オレに言ってくれたんだ。今までよく頑張ったなって、褒めてくれた!」



