「わー、星いっぱいだよ蓮夜」
「キラキラしてる!すげー!」
「ねっ、すげーね。掴めそうだねえ」
おかしいな。
いつも屋上なんか、昼間くらいしか解放されてないのに。
それに一般は立ち入り禁止ともなっていて、基本は入れない場所。
けれど今日は違うみたいだ。
この都心でここまでの星空が見られることだって、ぜんぶが不思議な夜だった。
「寒くない?もう10月も終わるとかびっくりだよね~」
こんなに小さかったんだ、この子。
改めて感じたぬくもりを、私はぎゅっと抱きしめた。
あたたかい命の音がする。
トクントクンと、確かに動いている。
今にも消えそうな音で、ひとつひとつ脈を打っている。
「ねー、なゆ」
「んー?」
「小学校って、どーいうとこ?たのしい?」
「…………」
去年から入院している蓮夜は、本当なら今年から小学生。
ランドセルを背負って学校という場所に通う当たり前な日常を、この子は経験していない。
ずっと病院。
点滴を打って酸素を取り付けて、たくさんの管を身体中に通して。



