65リットルよりも、笑って。





納得したんだ、自分が。


普通の男子高校生じゃんって、普通の反応じゃんって、だから私はつらくない。

へーきだから。
ほんとうに、平気なんだってば。



「そこまで情を持ってくれるのは患者として嬉しい。でもそれは、たぶん……正しくないよ先生」


「………、」



医者は、慣れなくちゃ。

これからもっとだよ、こんなの。


先生がこの先担当していく患者のなかには、私以上の病を抱えている人間がいるかもしれないんだから。


私なんか先生の道のひとつ。
それでいいんだよ。



「あんなのにいちいち怒ってたら、先生の体力のほうが持たないって」


「……なにが情だよ」


「わっ!」



私の手を掴みなおすと、彼は悔しそうに唇を噛みながらロビーとは反対方向へ。

繋がれた手をじっと見つめるように、私は院内を引かれながら歩いた。