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車の時計を見ると
時刻は午前2時30分。

車に乗って
2時間が経とうとしていた━━━…

窓から見える景色は
段々と光が消えていき、

どうやら、
林が広がっているらしい。真っ暗な景色に
街頭が所々にポツリ。

車の中は緩やかな曲が流れるだけで━━━

子守唄のように聞こえて、ウトウトしてしまう…



私とハルは無言のまま。

そんな中、ハルが口を開く。

「ねぇ、姫乃ちゃん?
どうして家に帰りたくないの?」


「………ん…」



意識が朦朧としてて。

「だってさ?こんな知らない男の車なんか乗っちゃって。かなり辛い事があったんだろ?

って寝てるし…。」


ハルの言葉を最後まで聞く前に私は寝てしまった。


私を見ながら
苦笑いするあなた。

苦笑いした後に…
表情は一変し、
冷酷な顔になった事なんて。


寝ている私は知るはずもなく。



ピ………

《今日、午前0時頃
東京都A区で男性が拳銃で撃たれるという事件が発生しました。

犯人は夏目ハル容疑者23歳。逃走している模様です。

警察は夏目容疑者を
全力で捜索中との事です。

また、事件現場付近で
桜木財閥の一人娘
姫乃さんの行方が分からなくなってる事から…事件に…》



ピ………


これからの私達の運命は
月だけが知っていたのかもね━━━



* 第1話 終 *