「…………姉さん。家、入ろう。」
「う、うん……。」
奈央は無口が通常なのに、今はなぜか無口なのが怖い……
バタンッッ
スタスタ
ドスッ
「奈央……?どうかしたの…?」
いつになく乱暴に扉閉めるし、早歩きだし、すごい勢いでソファーに座るし…
「……どうした、じゃないでしょ。」
「え??」
「どうした、じゃないだろっ!」
「っっ…」
どう、したんだろう。奈央にこんなに怒鳴られたことはないし、こんなに怒鳴ったことを見たこともない
「……ごめんなさい、なにか怒らせた?」
私の言葉に、ハッと目を見開いた奈央は気まずそうな顔になった
「…………ごめん、姉さん。もう寝る。夕飯はいらない。」
「分かった…。おやすみ、奈央。」
気まずい空気のまま、私は1人リビングに残った
生まれて初めて奈央と喧嘩っぽいものをしてしまった……、と私は呆然としていた


