「——でね、私は果物が大好きでーーー」
「そうなんだね。いいなぁ。」
たわいない私の話を笑顔で聴いてくれる駿くんに、ついついずっと話してしまう
「あっ、そういえば駿くんの家ってどこなの?」
「えっと……。僕は、美奈ちゃんの家より少し先のところだよ。」
「そうなんだね!ご近所さんだ〜」
いつか行ってみたいなーー
駿くんのおかげで、いつもは寂しい帰り道が、とても楽しくなった。駿くんも、ずっと笑って話を聴いてくれて、本当に王子様みたいだ。また話題が変わって、ははっと笑っている駿くんも楽しそうで、私もさらに嬉しくなった
—————だから、家の話になったとき、
そうだね、と笑う駿くんの笑顔が少し陰っていたのは気のせいだったのだろうと思う


