「莉子殿、居るのか?……入るぞ。」
スーと襖が開く音が聞こえ目を開ける…。
誰かが私を呼んでるみたい…
頭がぼぉーっとする…
夢を、見ていたんだ…なんて幸せな夢だんだんだろう。
「莉子殿?…大丈夫か⁉︎そんな寒い窓際で寝ていたのか?」
着流しに半纏(はんてん)を羽織った男の人が、心配そうに覗き込んでくる。
大きな手で私の額に触れてくるから、
「…お兄様…?」
夢から覚めたばかりの冴えない頭でぼんやりと問う。
「いや…悪いが君の兄になった覚えは無い……また、熱が振り返したんじゃないか?」
心配そうな顔のその人をジーッと見つめる。
「…司様⁉︎」
ハッと目が覚めて辺りをキョロキョロと見渡す。
「…夢じゃない…?」
「夢ではないな。…どこか頭でもぶつけたか?あまり頭を動かさない方が良い。」
大きな両手で頭を抑えられて動きを止められる。
「大丈夫か?」
目と目が合って、まるで心を読み取ろうとしているかのように、じっと見つめられる。
「だ、大丈夫です…。夢を、見ていたみたいです。
…すいません気付かなくて…何度か呼ばれてましたか?」
「ああ、声をかけても返答が無いから部屋に入らせてもらった。それよりも、頭が痛いとか傷口が痛むとかないか?」
まるでお医者様のように、やたらと心配されてしまう。
「大丈夫です。お夕飯ですか?
わざわざ呼びに来て頂き、ありがとうございます。」
お礼を言って、立ち上がろうとするのに、
「ちょっと待て。」
と、司様に両肩をそっと掴まれる。
「そんなに…急に動いたらいけない。貧血気味なんだからゆっくり立ち上がらないと危ない。」
そう咎められ、
「…申し訳ありません。」
と、私は素直に謝った。
彼の腕を借りそっと立ち上がる。
少しクラっとするけど直ぐに平気になった。
「ありがとうございます。もう、大丈夫です。」
小さくお礼を言って彼を見上げる。
スーと襖が開く音が聞こえ目を開ける…。
誰かが私を呼んでるみたい…
頭がぼぉーっとする…
夢を、見ていたんだ…なんて幸せな夢だんだんだろう。
「莉子殿?…大丈夫か⁉︎そんな寒い窓際で寝ていたのか?」
着流しに半纏(はんてん)を羽織った男の人が、心配そうに覗き込んでくる。
大きな手で私の額に触れてくるから、
「…お兄様…?」
夢から覚めたばかりの冴えない頭でぼんやりと問う。
「いや…悪いが君の兄になった覚えは無い……また、熱が振り返したんじゃないか?」
心配そうな顔のその人をジーッと見つめる。
「…司様⁉︎」
ハッと目が覚めて辺りをキョロキョロと見渡す。
「…夢じゃない…?」
「夢ではないな。…どこか頭でもぶつけたか?あまり頭を動かさない方が良い。」
大きな両手で頭を抑えられて動きを止められる。
「大丈夫か?」
目と目が合って、まるで心を読み取ろうとしているかのように、じっと見つめられる。
「だ、大丈夫です…。夢を、見ていたみたいです。
…すいません気付かなくて…何度か呼ばれてましたか?」
「ああ、声をかけても返答が無いから部屋に入らせてもらった。それよりも、頭が痛いとか傷口が痛むとかないか?」
まるでお医者様のように、やたらと心配されてしまう。
「大丈夫です。お夕飯ですか?
わざわざ呼びに来て頂き、ありがとうございます。」
お礼を言って、立ち上がろうとするのに、
「ちょっと待て。」
と、司様に両肩をそっと掴まれる。
「そんなに…急に動いたらいけない。貧血気味なんだからゆっくり立ち上がらないと危ない。」
そう咎められ、
「…申し訳ありません。」
と、私は素直に謝った。
彼の腕を借りそっと立ち上がる。
少しクラっとするけど直ぐに平気になった。
「ありがとうございます。もう、大丈夫です。」
小さくお礼を言って彼を見上げる。



