「そろそろ教室戻ろうか」 「そうだね」 中庭で一堂くんとランチを終え、ベンチから立ち上がって教室へ戻ろうとしたとき。 「あれ」 わたしは、隣のベンチの下に何かが落ちていることに気づいた。 近づいて拾ってみると、それは白いハンカチだった。ピンクのリボンの刺繍が可愛い。 「それ、依茉の?」 「ううん、わたしのじゃない。誰かの落とし物かな?」 「そんなの、見ていないフリしてそのまま置いていけば良いじゃん」 見ていないフリしてって、一堂くん……。