パトカーの後部座席で警察官二人に挟まれて終始無言の中、一生でパトカーに乗る経験ができる人は限られていて、俺はその限られた経験ができていることに小さな喜びを噛み締めていた。




逮捕された立場で不謹慎な想像ではあるけど、張り詰めた空気と青い制服に囲まれて、頭がイカれたのかもしれない。


はたまた、優衣を冷たく突き放した後悔から逃避したいだけなのかも。