「ねえ、待って。いい加減に離して!」
それから、暫く歩くこと約数分が経過。
我慢の限界を迎えた私は、まだお店からそこまで離れていない距離で無理矢理立ち止まる。
「一体何のつもりでこんなこと……」
「それはこっちの台詞だ」
そして、気まぐれな彼の振る舞いを咎めようとした矢先。
またもや予想だにしない言葉で遮られ、動きがぴたりと止まった。
「あの女が行きたいっていうから付いて来たけど、茶番もいいところだな」
それから、舌打ちをして悔しがっている意味が理解出来ず、私は眉を顰める。
「言っていることは全く分かりませんが、私は帰ります。カバンも置きっぱなしだし、あのまま二人を残すわけにはいかないので」
何はともあれ、こうしている間にも白浜さんは亜陽君にちょっかいを出しているような気がして。
私は早く戻ろうと、力の限り彼の手を振り解いた。
「そこまで焦ってるってことは……もしかして、前に公園であんたが泣いていた要因がそこにあるからか?」
すると、まさかのここで図星を突かれ、不意打ちのことに否定することも忘れ、驚愕の眼差しを彼に向ける。
「……ああ、そうか。これで理解出来たわ」
そんな私の反応を見て八神君はほくそ笑むと、何故か一人で納得して、こっちは置いてけぼり状態。


