こうして、その後も続々と人が集まり、本格的に会議が始まってからは時間があっという間に過ぎていった。


なんと言っても一からイベントを作り上げていくので、予算の確保や各協力団体への依頼、イベント内容や細かい調整等。


色々と決めることが多過ぎて、時間がいくらあっても全然足りない。


そんな中、亜陽君がとても段取り良く仕切ってくれたお陰である程度話が進み、区切りのいいところで会議はお開きとなった。



それから、いつものように亜陽君と帰宅し、家に着いた途端、これまでの疲労感が一気に押し寄せてきて思わず深い溜息が漏れる。  



何だか今日は色々あって頭が上手く回らないし、八神君のせいで会議にもあまり集中出来なかった。 


おまけに、最近自分の風紀がかなり乱れていて、これではダメだと。


改めて自分を戒めながら部屋着に着替えると、丁度夕飯の支度が出来たそうで、私はそのままリビングへと戻り食卓のテーブルに座る。



「美月、最近亜陽君とはどうだ?」


そして、いただきますの挨拶をした直後。


開口一番に父親から今一番訊かれたくない質問が飛んできて、進めていた箸が思わず止まる。


「……う、うん。いつも通り順調だよ」


いつもなら最近あった話をしたりして会話を広げていくけど、そこまで頭が回らず、ぎこちない返答しか出来ない。


結局八神君を家に連れ込んだことは最後までバレなかったし、亜陽君との交際について嘘偽りはないので堂々としてればいいのに、彼とのキスが脳裏から離れず、つい視線を逸らしてしまう。



「そうか。二人はもうすぐ受験だし、今週末の会食では進路のことも含めて、今後の話をしようと思うから」


しかし、動揺する私に全く気付いていない父親は、満足気な表情でそのまま話を進めていった。