麗しの狂者たち【改稿版】



「それにしても八神君って凄いね。大人顔負けの働きっぷりだし、色んなこと知ってるし。私、学校で偉そうなこと言ってたけど、全然そんな資格なかったね」

それから、慌ててお金の入った封筒をしまうと、私は自嘲気味に笑った。

「資格ってなに?あんなのただの慣れだろ。美月だって後半割と様になってたじゃん。……それに、今日のあんたを見て少し反省した」

すると、らしくないフォローと予想外な最後の一言に面をくらい、思わず足の動きがとまった。

「決められたことが正しいと思っている奴だって馬鹿にしてたけど、そうじゃなかった」

まるで自分自身に言い聞かせているようにそう呟くと、八神君も続けてその場で立ち止まり、ふとこちらの方に視線を向ける。

「美月は俺と同じだ」

そして、何処か影かかった笑顔と共に断言された途端、ある記憶が脳を過ぎる。


休憩時間に言われた、店長の”似ている”という言葉。

それが、一体誰と比べて言ったことなのか。

今ここでようやく理解することが出来た。