きみのためならヴァンパイア




私の4歳上の水瀬は遠い親戚で、昔から何かと会う機会が多かった。

最初こそ、少し歳上の素敵なお兄ちゃんと思っていたけれど。

それが違うとわかったのは、私が中学に入った頃だ。





水瀬は高校生になると、本格的にハンターとしての活動を行っていた。

親戚中から、すごく褒められていたのを覚えている。

陽奈もああいう風になれ、なんて、お父さんから何回言われたかわからない。

ハンターとして優秀な水瀬が私の許嫁と決まったのもその頃だ。

優秀なハンター、そして勝手に決められた許嫁、私はその二つが嫌で、水瀬から距離を取るようになっていった。


――ある日、水瀬は血まみれで帰ってきた。

私もさすがに心配して、声をかけたんだ。

そしたら、物陰に連れ込まれた。


「……これね、返り血。陽奈ちゃん、わかる? 僕がヴァンパイアなんかにやられるわけないんだよ」

「返り血、って、どうして……銀の弾丸は傷つけないんだよね……?」

「そうだよ、よく知ってるね。でも、僕は傷つけないと気が済まないの。だからピストルだけじゃ物足りない」