「紫月は、日光浴びすぎてああなってんの。昼間に外に出すぎだよ。それって、あんたを守るためでしょ? 他の奴らに襲われないようにさ」
「そんな……っ、でも紫月が、大丈夫だって――」
大丈夫だって言ってた。
けど、私、本当はわかってたはずだ。
ヴァンパイアは日光に弱いってこと。
紫月が大丈夫だって言ったのを鵜呑みにして、彼のことを気遣わなかった。
私は守られてばかりで、守ってあげようとしてなかった。
「……あのね、紫月はヴァンパイアの王様なの。ヴァンパイアの純血なの。つまりヴァンパイアの特性が誰よりも強いの」
「そんな……」
王様ってことは知ってたけど、だから特性が強いなんて知らなかったし、考えたこともなかった。
「知らなかった、とか、そういう言い訳する? だとしてもさ、ずっと一緒にいるのに紫月が倒れるまで体調悪いの気づかなかったんでしょ? あんた、紫月と一緒にいる資格なくない?」
……樹莉ちゃんの言う通りだ。
私はなんにも気づかなくて、いつも助けてくれる紫月を助けてあげられない。
「この家も、街も、出てけよ。紫月のことは、樹莉がちゃんとみてあげる」
「……嫌だ」
「はぁ?」
出ていくなんて、絶対嫌だ。
それは、家に帰りたくないからじゃない。
ただ、私のワガママで、紫月と一緒にいたいんだ。
「確かに私には……紫月といる資格なんてないかもしれないけど。でも、紫月がいいって言う限り、一緒にいる」
「だから、紫月にこれ以上甘えんなって!」
「……紫月が言ったことだけが、私にとっては本当だから。樹莉ちゃんが何を言っても、私は紫月の言葉を信じてる」
それに、時々だけど紫月が私に向ける笑顔が、嘘じゃないって信じてるから。
「ふざけんなよ、じゃあ樹莉があんたを消す!」



