きみのためならヴァンパイア




言いなりの男は、負傷した仲間を背負う。

もう一人は迷っていた様子だったが、仲間の元へ向かい、手伝い始めた。


「陸……さすがに付き合いきれねーよ。殺しはやらないって言ってたろ。しかも仲間にこんな大怪我させてまで……」

「……ふーん、あっそう。いーよ、別に。俺一人でやるからさ、安全なとこで待ってたら?」

「……悪いけど、そうさせてもらう」

「ははっ、腰抜けかよ。ここまで来たらやるでしょ、普通」


仲間と話した陸君はさっきと比べるとずいぶん落ち着いた様子で、それが逆に恐ろしく思えた。

冷静になってなお、紫月のことを撃とうとしている。


「じゃー、もう一回、練習させてもらうね。次は足がいいかなぁ。そこ、動くなよ? わかってると思うけど」


陸君は、私を一瞥する。

私がいることで、紫月への牽制になってしまう。


「紫月! 私はいいから、もう逃げて!」

「……お前が決めんなよ。陽奈、俺は、お前をーー」

「ちょっと待ちなさいよ!」


突如響いた、甲高い声。

その直後、陸君を日光が照らした。