「俺に怒ってるんじゃなかったか?」


記憶ではそうだ。

俺と同じようにプライドの高いこいつの申し出を断ったんだから。

花音を怒らせたやつは性別関係なく、なんらかの攻撃を受ける。

こいつは、そういう女だ。


今のところ、俺になんの危害もないとなると、様子見か、あるいは…。



「花音が怒ってる? えーなんのことー?」



耳にかきあげられた髪に隠れて、黙れという圧を感じた。


なんで話しかけたんだ、と思いながら、ため息がもれないように口を閉じる。



「面白い情報、手に入れたの。教えてあげようか?」

「情報?」

「そう、花音が楽しめそうなもの」

「興味ない」



おまえが楽しめそうなの時点で、レベル低そうだし、わざわざこうして話してくる意図もわからない。


俺の返答に目を細める花音。