ふらふらと家に着いてすることもなく、シャワーだけ浴びてベッドに身体を投げ出した。

ぶら下げていた袋から唐揚げを取り出すと、つまんだ指に油がついて、眉間にシワを寄せながらも頬張る。


……美味しくない。


炭酸だけバチバチでぬるくなってしまったサイダーも、半分以上飲む気がせず、そのまま机に置いてしまった。



まだ寝る気分でもなく、なんとなく携帯に手を伸ばす。

指でなぞったのは、前に開いたのはいつだったか、記憶にすらないアルバム。



数えるほどしかない写真のなか、今日撮ったものを見返す。



「俺の顔、見切れてんじゃねーか」


せっかく肩まで引き寄せたのに、梅野とイルミネーションと俺の顔が半分。


…あのガキ。なにがいいかんじだ。
もっとうまく撮りやがれ。


毒づきながらも、おどけた梅野の表情はよく撮れていて。

これはこれでいいと目を閉じた俺を、いつのまにか夜が誘っていった。