ひらっと手のひらに乗せられたのは、前学期の成績表。
他のはそうでもないのに、国語だけがずば抜けて悪い。
「この間の面談でも言われたんだけど、今のとこ欠点連続で追試も不合格だったりするから、まだ挽回はできるけど、これからまた欠点が増えてくようだと進級できるか問題にもなってくるんだって」
「あー…」
そういえば、担任にもそれっぽいこと言われたような…。
母さんの心配そうな眼差しを察して頷く。
「はいはい、今度の期末はちゃんとやれってことだろ?」
「…うん。クラスで優秀な子とかいない? そういう子に教えてもらったら、氷ちゃんも成績上がるんじゃないかな」
優秀な子ねぇ……。
……あ、梅野。
あいつ、たしか、毎回クラス一位じゃねえか?
期末まであと2週間。
…頼んでみるか。