「遊びっていうのは、わたしの他にも女子がいるっていう、そういう……?」

「そうそう」



今は何人いたっけな。

正直覚えてない。だけど向こうも遊びを承諾してるんだから記憶に留める必要すらないわけで。



「どうする? あんたも俺と遊ぶ?」



人前で思い切った告白をしてくれたから、俺にしては結構、優しめのつもり。

迷ったのか数秒間黙った女が、少し下を向いてふるふると首を振った。



「ん、じゃあ、なしってことで」



それ以上この場にいる理由もなく、俺から背を向ければ、周りのやつらが途端に騒ぎはじめる。



「ねーえ、かわいそう」

「でも氷牙(ひょうが)くんだよ? わたし、遊びでもいいかも!」

「あれはまだマシな方だって」

「あたしなんて1年ずっとアタックして見向きもされなかったんだから」