執務室に入るや否や、昨日私が捨てたはずのデザイン画が机の上に広げられているのが目に入った。
見たくない!
私は咄嗟にぎゅっと目をつぶった。
「リリー、」
その声は慰めようとしているようにも、憐れんでいるようにも聞こえなかった。
ただただ底抜けに明るかった。
この状況にそぐわない。
どうして?
そうっと目を開けると、ウィル様と目が合った。
ウィル様は顔いっぱいの笑顔だ。
困惑してしまった。
私の知らないところで、何かがあったことだけは悟った。
「突然呼び立ててごめんね。でも、イヴリンが君には『内緒で』って相談してきたんだよ。あっ、イヴリンに怒らないであげてね。リリーを気遣ってのことなんだ」
小さく『はい』とだけ返事をした。



