「そうだよ。不真面目な生徒だったよ」
「い、意外ですっ」
「なら、リリーは小さい頃、真面目に勉強してたほう?」
「……いえ」
全く、これっぽっちも……
「ほら。みんなそんなもんだよね」
「でも、ウィル様は王子様だし」
「勉強が好きか嫌いかに、出自とかそんなこと関係ないよねー」
胸を張るウィル様がおかしくて、私は噴き出してしまった。
「だけど、私は自然科学の授業中は面白いと思ってるんですよ」
細工師としての経験と授業で教わる知識が結びつく瞬間があるからだ。
「それはうれしいな。王城にいてもらってる上に、勉強までしてもらってて申し訳ない気がしてたんだ」
「そんなことは……それに授業がないと、たぶん暇を持て余す気がします」
庭の手入れと授業以外の空いた時間には、中庭を散歩するか、書庫から本を借りてくるくらいしかすることがない。



