「テオはあれでなかなか賢いんだ。テオひとり相手にしてたときは、先生方も大丈夫だろうって安心しきって、授業を先へ先へと進めてしまってたみたいなんだ。テオはそれがツラかったんだな」
「でも、テオ様は授業中に分からないことがあれば、『分かりません』ときちんと言えてますよ?」
「それもリリーのお陰だよ。以前に『分かりません』と言ったら、僕に教えてたときには『そんなことはなかったのに……』って、ため息を吐かれたことがあって、正直に言えなくなってたんだって。でも、リリーがいてくれるとそれがないから、また『分かりません』って言えるようになったみたい」
「テオ様、可哀想に……」
「本当だよ。『そんなことはなかった』も何も、僕は如何に先生の興味を引く雑談を持ち出して、授業を脱線させるかに必死だったのに」
「えっ、ウィル様が?」
本当に?



