「はじめまして。僕はテオっていうんだ」
「テオ様ですね。覚えました」
「リリー、これからも僕のことはそう呼んでね」
「はい、テオ様」
テオ様はそれだけのことで、なぜかうれしそうに微笑んだ。
「リリーさん、僕は?」
「へっ!?」
ウィリアム様は、自分の顔を指差していた。
なぜか、その頬はふくれているように見える。
「ウィリアム様……ですよね……?」
「テオドールがテオなら、僕はウィルですよね?」
しまったー! テオというのは愛称だったの? テオ様ではなく、テオドール様?
「も、も、も、も、申し訳ありませんでした! これからは、『テオドール様』と呼ばせてもらいます!」
「えっ、ダメだよ。さっき『テオ』って呼ぶって約束したんだから」
「そうですよ。そういうことではなくて、僕のことは『ウィル』と呼んでください」
この兄弟、王子様のくせに揃いも揃ってどうなってるの? 私は平民のドワーフなんですけど?



