人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?


 中庭に近付くにつれて、私の心臓の音は次第に大きくなっていった。

 いた!

 ウィリアム様は先に来ていて、ベンチに座っていた。

 けれど、私に気がつくとすぐさま立ち上がった。

 第一王子様を待たせちゃうなんて!

「お待たせしてしまい、申し訳ありませんでした」

 私は慌てて謝った。

「ぜーんぜんですよ。朝食をゆっくり食べられたってことですよね。昨日よりもずっと元気も出たみたいですし、安心しました」

 ウィリアム様が、これでもか! というくらいキラッキラな王子様スマイルを見せてきたので、私の胸はキュンとしてしまった。

「それでは、どうぞ」

 そう言うと、ウィリアム様は曲げた肘を私のほうへ突き出してきた。

 『どうぞ』って、何のことだろう?

 ぽかんとしてしまった。