人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?


「パンのおかわりはいかがでしょうか?」

「ありがとうございます。いただきます」

 うはっ、ちゃっかりおかわりまでしてしまった(残す心配なんて不要だった)!

 今度はバターをたっぷり乗せた。

 まだ温かいパンの上でスーッと溶けて、また食欲をそそるにおいがした。

 最後に瑞々しいフルーツと、紅茶まで頂いた。

 ふう、しあわせ。

 これの一体どこが『緊張で何も喉を通らないかもしれない』だ。

 自分のことながら笑ってしまった。

 おいしい食事でお腹がいっぱいになるなら、私はどこでだって生きていける。そんな気がした。

「ごちそうさまでした。とってもおいしかったです!」

 王城に来てから初めて、お腹から声を出せた。