人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?


 工房入り口が遮られて、工房内部がかげった。

「作業は順調に進んでいるか?」

「お父さーん、こっち! こっち!」

 私は大きな声で呼んだ。工房内ではたくさんの金属音が響いているせいで、そうしないとそこまで届かないのだ。

「リリー、『家の外では族長と呼びなさい』といつも言っているだろう?」

「はーい、族長」

 私の父親は、ドワーフ族を束ねる族長なのだ。村長でもあるんだけれど、みんな『族長』と呼んでいる。

「ね、この柄と装飾、いい出来だと思うんだけど、どう?」

 剣身の上にそれらを重ねてみせた。

「美しいなー。これは見事だ」

「でしょ、でしょ?」

お父さん……もとい族長は『しゃべり方』と苦笑する。

「やっぱりまだまだ子どもだなー」

「あと半年もすれば成人するってば!」

 そう、6ヶ月後には16歳になるのだ!