人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?


「お着替えをお手伝いいたします」

「ええっ? 手伝うって何を?」

「ですからお着替えを」

「小さな子どもはないんで、ひとりで着替えられます! むしろ簡単な服なんで、手伝ってもらえることがないですっ」

 パーテーションの後ろに隠れて、急ぐ必要もないのに大急ぎで着替えた。

 ワンピースは昨日着たから、今日はつなぎ服を着た。

「そのお召し物は、ドワーフの民族衣装でしょうか?」

 民族衣装といえば民族衣装……?

「ええっと、これは作業服のようなもので……」

「それも大変動きやすそうでいいですが、スカートは昨日の1着のみですか? 何着かドレスもお作りしましょう。手配いたします」

 ど、ドレス!?

「それって王妃様が着ていたような……?」

「申し訳ありません。あれほど豪華なドレスではなく、もっと簡素なものになります」

「そ、それはもちろんなんですけど……でも、私にドレスなんて必要ないですっ。第一、ドレスの代金をお支払いできません!」

 お父さーん! そういえば私、お金持たせてもらってないよー。