人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?


 ふと真下に目をやると中庭が見えた。

 その瞬間、ウィリアム様との約束を思い出した。

 一緒に散歩をするんだった!

 その場でじっとしていられなくなってしまい、ベッドにダイブして、枕に顔を埋めた。

 今日は上手く話せるかな……

 あの優しい声が聞こえてくるような気がして、足をバタバタさせた。


 けれど、聞こえてきたのはドアをノックする音だった。

 私は即座に足を動かすのを止めた。

「おはようございます。イヴリンでございます。朝のお支度をお手伝いしに参りました。中へ入ってもよろしいですか?」

「は、はーい」

 私は慌てて、ベッドの縁に行儀よく座った。

 イヴリンさんは入室すると、私のそばに寄り、顔を覗き込んだ。

 何だろう……ま、まさか、ベッドの上で大騒ぎしてたのがバレてるとか?

「顔色がよくなりましたね」

 ほっ、単なる体調確認だったんだ。