ウィリアム様がドアの前でまた止まった。
「着きました。ここがリリーさんの部屋です」
ウィリアム様はイヴリンさんに合図を送った。
「女性の部屋には入れませんので、僕はここまでです。後はイヴリン、よろしくね」
それから私に軽く手を上げると行ってしまった。
あんなにそばにいるときは苦しかったはずなのに、見えなくなってしまうと淋しく感じた。
あの優しい声をもっともっと聞いていたかったな……
でも、明日も会えるんだ!
「リリー様、お部屋の中へどうぞ」
「あっ、は、はい」
イヴリンさんがドアを開けてくれた。
「うっわー」
ドアの向こう側には、それはそれは素敵で可愛い、絵本の中のお姫様が住んでいるような空間が広がっていた。



