けれど、そんな私にもウィリアム様はこう説明してくれた。
「触られたくないというわけでなければ、遠慮しないであげてください。リリーさんが自分で荷物を持ってしまうと、イヴリンは困ってしまうんですよ。それに、リリーさんは移動で疲れてるでしょう?」
そこまで言ってもらえると、ガチガチに握りしめていたこぶしをすんなりと開き、バッグをイヴリンさんに預けることができた。
というか、ウィリアム様に視線を向けられ話しかけられると胸が苦しくて、一刻も早く解放されたかった。
「それでは付いてきてください」
ウィリアム様は歩き始めた。
ウィリアム様の顔を見ないで済むので、後ろを歩くのは心臓にいい。
そう思った瞬間、ウィリアム様は私のほうを振り向いた。
「城の最上階は王族の居住スペースになっているんで、そこへは勝手に入らないでください。それ以外は、基本的には自由に出入りしてもらって構いません。ただし、イヴリンと一緒に行動してくださいね」



