最後の別れは実にあっさりしていた。
「このあと予定が詰まっていて、メリーも族長も見送れなくてすまない。私の代わりにウィリアム、見送りをくれぐれもよろしく頼む。そのあとでリリーさんを部屋へ案内してくれるか? それでは、メリー、今まで本当にご苦労だった」
国王様と王妃様は先に退室した。
「僕はまだまだ時間ありますから、ゆっくりお話されてもいいですよ」
ウィリアム様はそう言ってくれたものの、お父さんは首を横に振った。
「これ以上はツラくなるだけですから」
「それもそうですね」
みんながおもむろに立ち上がった(私は反動をつけて跳び下りた)。
「メリー、どうぞ最後まで僕にエスコートさせてください」
ウィリアム様はメリー伯母さんに手を貸すと、何とそのまま馬車まで送っていったのだった。
これには少し面食らった。だって、長年王城にいたっていっても、王族がドワーフの人質を相手にだよ?
私もその後ろをついていき、馬車に乗るメリー伯母さんとお父さん、それとポールさんに手を振って見送った。



