「あ、あの……『強引に連れてこられて』ってことはないんです。私が自分から言い出して……」
メリー伯母さんが私の手をそっと握った。
「そうだったのね。でも、心配は要らないわ。ウィル様はとてもお優しい方よ。私たちはお友達なの。リリーちゃんも、きっとすぐに打ち解けられるわ」
本当に? 声を聞くだけでもこんなに心臓がバクバクして息が苦しくて、ウィリアム様の視界に入らないところまで逃げてしまいたいぐらいなのに(でも私はこっそりウィリアム様を盗み見たいかも……)?
「ドワーフと人では文化や風習の違いがたくさんあるから、困ることや分からないことが出てきたときは、遠慮しないで僕に聞いてくれていいですからね」
ウィリアム様が優しく微笑んだ。
きゃっ、その笑顔は……!
せっかく人質になるためにここまで来たのに、今ここで心臓が破裂して死んじゃうんじゃ……?
そんな不安が頭をもたげるぐらい、私の心臓は激しく鼓動するのだった。



