「そう、あれは貴方のことだったの……ご自身の娘さんだったの……」
王妃様は声をつまらせて、目頭をそっと押さえた。
明らかに気まずい沈黙が流れた。
その空気に最初に耐えられなくなったのは国王様だった。
「……そ、そういえば、ウィリアムはまだなのか?」
そう言って、ドアの方を向いた。
すると、ドアの向こうから話し声が聞こえてきた。
「おや? どうやら僕たちを待ちわびていたみたいですよ? 人気者はツラいですね」
それからドアを2回ノックする音が続いた。
「ウィリアムです。ただ今、メリーをお連れしました」
ゆっくり、ゆっくりとドアが開く……
そうして、私の心臓が止まる瞬間が訪れた。



