人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?


 そう言って腕をぐるぐる回していると、廊下から足音が近付いてくるのが聞こえた。

「おっ、国王様か?」

「えっ、もう? こういうときって頭を下げて待ってればいいんだっけ?」

「あの本をきちんと読んだんだな? 偉いじゃないか。よーし、やってみろ」

 私は持っていた木箱をお父さんに手渡し、ぎこちないながらもお辞儀をしてまでせた。

「なかなか様になってるじゃないか。そのままじっとしていればいい」

 下を向き、じゅうたんの模様だけを凝視していると、複数人が応接の間に入ってきた気配を感じた。

「族長、急な知らせだったにも拘らず、早急に対応してくれてありがとう。ああ、楽にしてくれ」

 お父さんが顔を上げたのに合わせて、私も顔を上げた。

 国王様と、それから王妃様に違いなかった。

 ドワーフの森から出たことがなかったけれど、姿絵くらいは見たことがある。