人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?


 私とお父さんは城内へ入った。取り次ぎはとてもスムーズだった。

「応接の間にご案内します」

 予想に反して、こじんまりとした部屋に通された。

「居心地のいい部屋だね」

「客を迎えるのに、居心地が悪かったらマズいだろ」

「国王様と会うのは、吹き抜けの広いホールみたいな場所だと思ってた。絵本や童話の中ではいつもそうだったから」

「ああ、謁見の間のことだな。いちいち、そんな大仰なことはしない、しない」

 お父さんが手招きした。

「リリー、ベルトを外すから木箱を押さえておいてくれ」

 私は、お父さんが背負っている宝剣入りの木箱をぐっと支えた。

 お父さんはベルトを外すと、ふうと息を吐いた。

「第二王子様のときはもうちょっと軽く作ってもらいたいな。さすがに肩が凝った」