人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?


 ついさっきまで重苦しい空気だったはずなのに、ポールさんが何も変わらない軽快な口調で話すから、クスッと笑ってしまった。

 あっ、今笑えた!

 なら、私は大丈夫だ。

「リリー、斧は馬車に置いていけよ。そんなもん持って入城しようとしたら、それこそ襲撃者と間違われて捕まるからな」

 お父さんも調子を取り戻していた。

 だったら、私も!

「えーっ、王城ではお父さんの顔パスが効かないの?」

「そんなもん効くかっ! そうだな、リリーががんばって効くようにしてくれるのを期待してるよ」

 お父さんは王城を前にしても、やっぱりお父さんだった。

 どれだけ高い建築物にも、威圧されたりしないんだ。

 恐怖心が薄れていく。

「ポールさん、送ってくれてありがとうございました。ポールさんに会えてよかったです」

「リリーさんの幸運を祈ってますよ」