人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?

 私、こんな怖い場所に一生閉じ込められるんだ……

 絶望しかなかった。

 お父さんは昨夜、『罪人が牢に入れられるのとは違う』と言っていたけれど、この城壁の中に入るのは牢に入ることと同じじゃない?

 お父さんがパンを渡してきた。

「今朝、宿でもらっておいたんだ。王城ではいつ食べられるか分からないから、軽く食べておけ」

 空を見上げながらで、ちょっとしたピクニック気分。でも、ちっとも楽しくなかったし、もそもそ食べるパンはおいしくもなかった。

 食べ終えて、重い足で馬車の外へ出た。

 お父さんは荷物を降ろしながら、ポールさんに声をかけた。

「戻るのがいつになるか分からないが、待機所で待っていてくれるか?」

「もちろんですよ。急がなくてもいいですからね。実は二日酔いなんで、ゆっくり休憩しながらお待ちしてますよ」