「だけど、族長さんは毎年王城に行くたびに、リリーさんと会わせてもらえるんでしょ?」
「えっ!? お父さん、それ本当?」
「そうだろうなぁ。王城に行くと必ず姉さんに会わせてもらえてるから、リリーにも当然会わせてもらえるだろうなぁ」
「それ聞いたら少しほっとしたかも」
「でも、罪人が牢に入れられるんじゃないんだから、当たり前だろぉ? それにしたって、娘と年に1回しか会えないって、おかしいだろぉぉ!」
「おかしいですよっ! そもそも、何が目的で人質を? 併合した直後なら100歩譲って人質を取るのも理解できるけど、今こんな平和な時代に要りますかっ? 族長さんと僕だってこんなに仲よくなれてるのにっ!」
私のことで憤ってくれているポールさんを見ているうちに、お父さんの『無関係の人まで恨んだりはしないでくれ』というセリフを思い出した。
ポールさんを恨むなんて無理でしょ。できっこない。
なら、王城にいる人たちのことは?
分からない。自信はない。
けれど、ポールさんみたいに優しい人たちならあるいは……?
ううん、ううん! 優しい人たちなら、人質なんか要求しないもんね。



