イノシシの曳く台車と違って、馬車は一定の速さでゆっくり進んでいく。
それでもそれなりに振動があって、クッションを敷いていてもおしりが痛い。
町の外に出て街道を進み始めるとすぐにポールさんが声をかけてきた。
「リリーさん、ほら、あそこ。王城が見えるでしょう?」
あれが!
ぼんやりとだけれど、城が空に浮かんでいるみたいに見えた。
ここから見えているということは、王城は割と近いに違いない。
それなら、私のおしりも耐えられる。
「どれぐらいで着きますか?」
「悪天候のときなんかは2週間かかることもありますけど、今回は天候がいいから2週間かからないで着いちゃうと思いますよ」
「えっ、ええっ? 2週間? そこに見えてるのに?」
2週間もかかる距離で見えるって……近くで見たら一体どれだけ巨大なの?
想像ができない。



