「ああ、うちの1番上の子でね。一緒に王城へ送ってもらいたいんだ。帰りは別の……俺の姉になるんだが……」
「それは構わないですけど……族長さん、いいんですか? こんな可愛い女の子を王城なんかに連れていくと、悪い虫がつきません? ドワーフの森に隠しておいたほうがいいんじゃないですか?」
「そうできたらよかったのにな……」
ポールさんの軽口に、お父さんはあからさまに落ちこんだ。
「だ、大丈夫、大丈夫ですよ! 族長さんがしっかり守ってあげるんでしょ? あれっ、でも帰りは別……そっか、お嬢さんは王城で働くんですね? さっすが族長さんのお嬢さん! あははっ、何か変な事を言ってしまって、すみませんでしたっ」
ポールさんは荷台に飛び乗り、ガラッ! とか、ガシャンッ! とか大きな音を立てた。
どう考えても慌てすぎだと思う。
「お父さん、ポールさんに何かしたことでもあるの?」
「はあ? あの人はいつもああだよ。リアクションが大袈裟なんだ。その分、裏表がなくて、長旅をまかせるのにぴったりなんだよ」



