人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?

 停車している馬車に、何人か乗り込んでいくのが見えた。

「ひょっとしてあれ?」

「あれは乗合馬車だよ。俺たちは貸馬車で行く。事前に予約はしておいた。貸馬車の店舗はこっちの大通りだ」

 お父さんに案内されて、町の中心部へ入っていった。

「ポール!」

 通りのわきに、乗合馬車よりもふた回りくらい小さな馬車が停まっていた。

 荷台を覆うホロに上半身を突っ込んでいた男性が、顔を出してこっちを向いた。

「族長さん、お久しぶりです。今回は珍しい時期に王城へ行くんですね」

「そうなんだ。よろしく頼むよ」

「もちろんですよ! 族長さんに毎度ご指名いただけて光栄です」

 ポールさんはさわやかな笑顔で答えた。

「あれ? 今回の同行者1名って、もしかしてこちらのお嬢さん?」

 ポールさんは驚いた様子で私を見た。