人質になります!と意気込んだものの、これって全然人質の扱いじゃないですよね?

 その日も私はいつもと同じように、午後から工房で働いていた。

 今は金細工の装飾を製作中だ。特に細かい作りで神経を使う。

 装飾の中央では、王家の紋章が光を反射させている。これも金細工師である私が彫った。


 ここは、王国の西の端っこに位置する村。

 王国の西の国境沿いには山脈が切り立っていて、その裾野に広大な森が広がっている。

 私たちドワーフ族はその森の奥で暮らしているのだ。

 王国国民のほとんどを占めるのは人で、人じゃないのはこの村のドワーフだけなんじゃないかな?

 ドワーフと聞くと、人はすぐに髭を生やした小人を想像する。

 けれど、私たちはそんなに小さくない。成人の平均身長で比べると、男女共に人より20センチくらい低いって程度。